学校で性教育を

#学校で
性教育を

わたしたちは、これからの社会を担う子どもたちが、あたりまえに包括的性教育を受けられるようになることを目指しています。そのための第一歩として、2024年4月、中学校で使うための包括的性教育教材『コロカラBOOK』を刊行しました。# 学校で性教育を をスローガンに、一人でも多くの子どもたちのもとへ『コロカラBOOK』を届けられるよう、学校への普及・推進活動を行っています。

性は、あらゆる人の人生に深く関わる大切なことがらであるにもかかわらず、現状、ほとんどの学校では十分な性教育が行われていません。一方で、子どもたちはインターネットなどで見聞きする不確かな情報に日々さらされています。そのようななかで戸惑い、傷つき、そのことを誰にも相談できないでいる子どもは少なくありません。

書店に足を運べば、ひと昔前では考えられなかったほどに、性教育関連の書籍を目にする機会が増えました。しかし、そうした書籍を子どもたちが手にできるかどうかは、家庭の状況や周囲にどんな大人がいるかなど、環境によるところが大きいのも事実です。すべての子どもたちに包括的性教育の機会を平等に提供するためには、義務教育課程における実施が不可欠です。

『コロカラBOOK』を中学生の1割へ

2023年12月から2024年1月にかけて行ったクラウドファンディング「#学校で性教育を」では、総額6,984,893円のご支援をいただき、全国の中学生の1%にあたる約35,000人に『コロカラBOOK』を無償配布しました。次なる目標は、2030年までに全国の中学校で毎年9万部を採用してもらえるようになること。この数字は、2030年時点での中学生1学年の約10%に相当します。毎年それだけの採用が続いていけば、日本で義務教育を受けた人のうち、少なくとも1割が包括的性教育を受けた経験をもっていることになります。

『コロカラBOOK』を中学生の1割へ
『コロカラBOOK』を中学生の1割へ

包括的性教育を「共有知」に

日本で育った多くの人が「走れメロス」のストーリーを知っているように、学校で教えられたことはその世代や時代に共通の認識を形成していきます。より多くの学校で包括的性教育が実施されることは、これからの子どもたちが自他を尊重し合い、安心して生きていける社会の実現につながるはず。そのための教材をつくり、学校における包括的性教育を推進することは、いま、教材会社であるわたしたちが果たすべき使命だと考えています。

包括的性教育とは

包括的性教育の目的は、学習者のウェルビーイング(幸福)の実現です。
そのために、からだの変化や生殖のしくみだけでなく、からだの権利・ジェンダー・性の多様性・コミュニケーション・性暴力など、幅広い分野の知識を扱います。

包括的性教育 包括的性教育

さらに、それらの知識に基づいてよりよい選択をしたり、自他ともに尊重される関係性を築いたりするための態度やスキルの獲得を目指します。

「からだ」や「こころ」について、また自分のもっている「権利」について知っておくことは、人生の様々な場面でよりよい選択をするためにとても大切なことです。これからの子どもたちが互いを尊重し合いながら、自分が、あるいは自分たちが望む社会を思い描くことができるようになるために、包括的性教育が必要とされています。

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